アイの在り方
アイ

最近の日課…―
何にも考えずに頭を真っ白にして今の状況と向き合ってみる。


川瀬亜伊 19歳 バイトしながら何とか生活していて付き合って3年目の彼氏からの束縛と暴力に耐えかねて家を飛び出してみたものの所持金238円…―


服と財布のポケットも探したけど1円すら出てこない。
左頬はジンジン痛むし膝だって痛い。


何気なく幸せそうに前を通りすぎたカップルと今の自分を比べて涙よりが出るって言うより笑えて来た。


「ぷっ…あたし何て惨めなんだろ!絵に書いたような不幸!靴も履いてないし!あはは!」


街中で1人笑うあたしは当然、変な女として視線を受ける。
だけど、もう開き直って笑うしかないんだもん…―


帰っても帰らなくても殴られる。それは足掻いても変更なしの決定事項。携帯が何度も鳴っては切られて30回は越えてる。怒り狂ってるんだろうな…


帰ったら鉄拳が飛んで来て壁に叩きつけられてしまう。見下す視線に怯えながら泣いて謝るしかない。

いっそこのまま…―
そんな事が頭を過りながらフラフラと歩いた。

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