天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅠ
「まぁいいではないか、夕城」

龍娘が翡翠をなだめる。

「我々は、我々にできぬ事があるからこそ春夏秋冬を頼った。そして我々の持たぬ直感や勘を頼りに、春夏秋冬はこのような答えを導き出した。後は我らが彼の言葉を信じるしかあるまい」

そう言って。

「生徒を信頼してやるのも教師の務めだろう?」

龍娘は魅力的な笑顔を見せた。

「……貴様がそうまで言うのならば仕方あるまい」

翡翠は小さく溜息をつく。

そして渉もまた、感嘆の溜息。

(成程…ジロー先生が魅了される訳です…)

渉が知識として蓄えている『噂』というのは、都市伝説ばかりではない。

恋慕の情に浮かされた龍娘が、周囲の異性をも巻き込むほどの可憐さを撒き散らす『乙女化』、それをもたらした芸人幽霊の噂、更にはその『乙女化』に魅了されてイカれて、龍娘に惚れ込んでしまった世界史教師の噂…。

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