不機嫌に最愛
*彼女、不機嫌につき


【彼女、不機嫌につき】

☆゜・*:.。. .。.:*・゜☆



大好きな人、だからこそ。

諦め時があると思うの――…



「本当に切っていいの?
……背後からの視線が怖いんですけど、」

「いいから切っちゃってください。バッサリと!!」



鏡越しに困り顔の美容師さんに、決心が鈍らないうちにと強気で返す私。


鏡の端に映り込んでる姿には、……気付かないフリをしよう。



「いや、でも。今にも背中に穴空きそうなくらいだし。振り返ったら殺される……」



物騒なことをブツブツと呟く人に、それでも美容師か、と呆れそうになる。

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