【黄昏の記憶】~ファースト・キスは封印の味~
玲子や、リュウ、鈴木博士。
それに、晃一郎。
みんなの顔が、脳裏に浮かんでは消え、
涙が、ポロポロと、溢れ出す。
――もしかしたら、このまま、死んでしまうのかもしれない。
そんな冷たい予感が胸をよぎり、優花が、抗うことを諦めようとした、そのとき。
ふわり、と、漂う甘い花の香りと共に、優しい波動が、優花を包みこんだ。
『優花ちゃん、自分に負けたらだめだよ』
心に、染み入るような、温かい声。
それは、優花が、今はもう姉のように慕っている、もう一人の優花のものだ。
――優花……さん?
『あなたには、強い力が眠っている。あなには、その力がある。それを信じて』
――私の、力?
でも、どうすればいいのか、分からないよ。
『大丈夫。ただ、願えばいいの』
――願う?
『そう。心から、そうしたいと願うこと。それが、強い力になる――』