【黄昏の記憶】~ファースト・キスは封印の味~
腰を抜かしたまま、動けないでいる優花の前に片膝を付き、
女は、すうっと上げた右手を、優花の額に、ぴたりと沿わせる。
「あ、や……っ」
恐怖で頭を振り逃れようとするが、優花の身体全体は、まるで金縛りにあったように、微動だにできない。
ぽうっ――と、
額にに沿わせた女の細い指先に、まがまがしい赤い光が灯った。
その光が徐々に強さを増すごとに、優花の頭の中を、言いようのない感覚が駆け巡る。
「うっ……あっ……!」
声にならない悲鳴が、喉の奥からせりあがっては、こぼれだす。
苦しい。
脳細胞から、記憶がぺりぺりと、力ずくで引き剥がされていく。
そんな異様な感覚に、優花はなす術もなく、ただ身悶えた。