【黄昏の記憶】~ファースト・キスは封印の味~
ああ、なんだろう、これ?
すごーく、ふわふわして、もふもふで。
とっても気持ちがいい。
まるで、干したてのお布団みたいに、お日様のにおいがする。
「むふふふ……」
優花は、思わず、顔をそのもふもふに、摺り寄せた。
次の、瞬間、頬が、
というか、顔全体が下から上へ、べろんと、生温かい湿ったものでこすり上げられた。
その感覚に、まどろんでいた意識は、一気に現実に引き上げられる。
ぱちり、と
開けた視線のまん前に、白い大きな鼻面があった。
「ふぇ……? なんら、これ?」
ぼぉっと眺めていると、澄んだ青い瞳と、視線がかち合った。
――あれ?
もしかして、まだ、夢の続き?
『チガう、ユメじゃない』
頭の中に。ダイレクトに響いてきた低い声に、優花はぎょっと身を引く。