【黄昏の記憶】~ファースト・キスは封印の味~

逆巻く熱い風を纏って、晃一郎が一歩、又一歩と足を進めていく。


金色の髪が淡い燐光を放ちながら、風になぶられ、ユラユラと波を打つ。


それはまるで、何者にも負けない気高き百獣の王、ライオンの姿を彷彿とさせる。


『黄昏のグリフォン《有翼獅子》』


国に五人しかいないSA特別国家公務員の肩書を持ち、ガーディアンの頂点に立つ男の、それが異名。


鋭い光を放つ双眸が、ブラウンから、髪と同じ鮮やかな金色に変化を遂げる。


空気を震わせるようなエネルギーの放出に、その場に居た誰もが動きを止め、息を飲んだ。


「ま、まさか、この力は……ガーディアンか!?」


その桁違いのパワーに気圧されたように、玲子は目を見開き数歩後ずさった。


その時、


『優花、行けっ!!』


叫びざま、晃一郎は地面を蹴った。

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