【黄昏の記憶】~ファースト・キスは封印の味~
「グリードの奴らは、見つけた体を『向こう』へ送還して、一応辿りついたみたいだから、もう心配はないだろう。」
「……うん」
運よく、なのか分からないけど、アイツらは、元の世界に戻って裁かれる。
「村瀬たちは、それぞれの家に送り届けてあるから、こっちも心配無用だ。多少憑依された後遺症で体力が落ちるかもしれないが、若いからな。すぐに回復するだろう」
「うん」
「あ、ここの晃一郎は、親と一緒に祖父さんの葬式に行ってるから、これも心配いらない」
「うん」
「それと……」
ためらうように濁された言葉の続きは、分かっている。
「記憶と力を、封印……するんだよね?」
「ああ」