守るべきもの
夜の街は、眩しくて、たくさんの人が溢れ返っていた。


「修ちゃん、何が食べたい?」


「沙依が食べたい。」


修ちゃんは、いたずらっ子のような笑みを浮かべていた。 私は、無視を決め込んだ。


修ちゃんが急に立ち止まった。


「これ、沙依に似合うだろうなぁ。」


ウィンドウに飾られていた、ウェディングドレスを見ながら修ちゃんが言った。


私は、聞こえないふりをして歩き続けた。


修ちゃんが私と結婚したがっている事は知っている。


でも、何故か一歩を踏み出せない自分がいた。
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