ワイルドで行こう
目の前に来た彼は琴子の顔を見るなり困った顔になる。
「大丈夫」
「ええ、ちょっと……ほっとしちゃって」
そして彼が肩越しで母へと振り返る。機嫌良く蛍を眺めているのを確かめると、今度はグッと琴子の腕を掴んで強引に歩き出した。
「え、ちょっと」
「喉渇いた。つき合ってよ」
スカイラインの後方、暗がりの駐車場の片隅に、そこだけ煌々と明るい自販機があった。そこへと連れて行かれる。
「お母さんは、なにがいいかな」
「いえ、もう本当にそんな気遣いは」
「茶でいいか」
琴子の遠慮など皆無。彼が勝手に決めてしまい、『ガコン』と音が鳴ったそこには既にペットボトルのお茶。
そうだった。この人、決断が早い人だったんだ。改めて感心する。
「姉さんは何」
「このカフェオレ」
今度は物怖じせずに甘えてみると、彼もちょっと驚いた顔。そして直ぐに笑顔。 琴子にカフェオレの缶を手渡すと、彼は冷たいコーヒーを買う。
「そうやって。自分の気持ちとか後回しにしてきたんじゃないのって思うわ、俺」
「大丈夫」
「ええ、ちょっと……ほっとしちゃって」
そして彼が肩越しで母へと振り返る。機嫌良く蛍を眺めているのを確かめると、今度はグッと琴子の腕を掴んで強引に歩き出した。
「え、ちょっと」
「喉渇いた。つき合ってよ」
スカイラインの後方、暗がりの駐車場の片隅に、そこだけ煌々と明るい自販機があった。そこへと連れて行かれる。
「お母さんは、なにがいいかな」
「いえ、もう本当にそんな気遣いは」
「茶でいいか」
琴子の遠慮など皆無。彼が勝手に決めてしまい、『ガコン』と音が鳴ったそこには既にペットボトルのお茶。
そうだった。この人、決断が早い人だったんだ。改めて感心する。
「姉さんは何」
「このカフェオレ」
今度は物怖じせずに甘えてみると、彼もちょっと驚いた顔。そして直ぐに笑顔。 琴子にカフェオレの缶を手渡すと、彼は冷たいコーヒーを買う。
「そうやって。自分の気持ちとか後回しにしてきたんじゃないのって思うわ、俺」