ワイルドで行こう
「この、バカヤロウ! もうすぐで溺れるところだったんだぞ!」
「え、そ、そうなの?」
「おまえ、眠っていただろ」
やっと自分の現状況を把握したのか、琴子が申し訳なさそうに英児を見上げた。
「すごく気持ちが良くて……、二日ぶりのお風呂だったからつい……」
濡れた身体で彼女からもぎゅっと英児に抱きついてきた。
うっ。それは反則だろう。本当は毎日、おまえの肌に触って眠りたいのに。いまは忙しそうだから、眠らせてやろうと、俺は俺は毎晩我慢しているんだ――と、英児は心の中でなんとか自制を努めるのに。
「英児さん。気がついてくれて、ありがとう」
裸の彼女がさらに英児に抱きついてきて、しかも英児の口元にチュッと御礼のキスをしてくれた。
ああ、もうダメだと英児は真っ白になる。
濡れた裸体の琴子を抱きしめたまま、英児はあろうことか着衣のままざぶっとバスタブに片足を突っ込んでいた。