ワイルドで行こう
「英児さん?」
「おまえな、ほんっと悪いヤツだな」
「え?」
いつもなら、自分が着ている服がどんなに濡れたって、思いたったその場所で惚れた女の裸体に一直線。だが、英児は片足を突っ込んだまま、なんとか思い止まる。ぐっと思い止まる。
そっとバスタブから一歩踏み出してしまった濡れた片足を外へと出した。
いい匂いがする彼女の濡れた黒髪をそっと撫でて、今度は英児からそっと彼女の耳元へとキスをする。
「もう眠るなよ」
「うん。ごめんなさい、英児さん」
また素肌でぎゅっと抱きつかれる。見慣れたはずの彼女の大きな胸の谷間が、ほんとうにもう今夜はどうにもこうにも誘惑してきて我慢できないのに、我慢しなくちゃいけない。
結婚したはずなのに。なんだろう、この生殺し状態!
うー、このヤロウ! 大好きな彼女の裸を自分からつっぱねて、英児はベッドルームになんとか戻った。
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