愛を餌に罪は育つ
Epilogue
今日は恋人達が待ちに待っていた日。


クリスマスイブ。


秋と初めて一緒に過ごすイブ。


残念ながら今日は平日で秋は仕事に行っている。


私はというと、もう仕事を辞めてしまったので今は家でのんびりしている。


でも夜は外で食事をしようという事になり、今から楽しみでしょうがない。


それにもう人の目を気にしなくていいんだと思うと気も楽だった。


お昼ご飯を食べ終え、ソファーに座ったままうとうとしていてハッとなった。


危ない危ない――お昼寝は洗い物してからにしよう。


睡魔と戦いながら、食器を洗い終えソファーに戻ろうと横を向いた瞬間、強い衝撃に襲われた。


気付けばいつの間にか目の前には人がいて、その人の手には真っ赤なナイフが握られていた。


お腹に手を当てると生暖かくヌルッとした感触がした。


そっと目線を下に向けるとお腹がぐっしょりと真っ赤に染まっていた。



「ｯｯ――」



それを見た瞬間痛みが増し、足に力が入らなくなり私はその場に膝まずいた。






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