牛乳と猫スーツ。
しかし一番驚いたのは彼の話だった、いつの間にか引き込まれていたのだ。
その場にいる誰もが彼の話を真剣に聞いていた。学校の規則、部活の内容など、色々な質問をただ説明するのではなく、興味を持たせるように話す。
直樹は彼に興味を抱いた。
そして迷いなくこの学園を受けた。
ふと顔を上げると同時に、挨拶は終了。
式は終わった。
自分のクラスを確認し、渡り廊下を歩いていると、不意に大きい桜の木が目に入った。
正確にはその木の幹に縛られている白猫スーツが…。
所々汚れている、中で血を吹いたのか口元が赤くなっていた。
「なにやってるんですか…?」
近づいて聞いてみる。
「私情だ…。」
「私情って、このこと!?ってことは!?」
直樹は急いで縄を解いてあげる。
猫スーツの男が、すまんなと礼をいいながらポンポンと汚れを払う。
「あなたが生徒会長だったんですか。」
汚れを払い終わり、こちらを向く。