牛乳と猫スーツ。
「妹と同じ姓なんだからわかるだろう。神崎なんてそうはいないと思うが。」
おもむろに猫の頭を外す。
ふぅと息を吐きながら、こちらを見る。
銀色の髪をカチューシャで止め、少しつり上がった目、黒い瞳。
間違いなく半年前に見た男。神崎蓮(かんざ きれん)だった。
「どうしてそんな格好を?」
一番の謎を聞いてみる。
「地域に密着するためと好感度をアップさせるためだ。」
さらりと答えた。
「この格好だと色々とやりやすいんだ…っと、そんなことより、早く教室へ行け。そろそろ時間だ。」
ケータイを見ると、もうすぐ集合時間だった。
慌てて行こうとすると、会長に呼び止められた。
「朝はやりすぎた、反省している。お前は妹たちと同じクラスだ。仲良くしてやってくれ…。」
そう言って去って行った。