牛乳と猫スーツ。
時間ギリギリで教室に入ったが、先生はまだ来ていなかった。
ホッとしていると、背中をつつかれた。
「同じクラスになれましたね。」
振り向くと今朝の少女、神崎優華だった。
「えっと、神崎優華さん……だっけ?」
「阿部直樹さんですよね。」
「あれ?俺、名前言った?」
兄に聞いたんですと、クスッと笑って答える。
連れて行かれた後に言ったんだろう。そして副会長にボコボコにされ木に巻き付けられたと。
なるほどと納得していると。
「ゆ〜う〜か〜〜〜!!」
1人の女の子が優華に抱きつく。
「痛いよ、姉さん…。」
「姉さんって!?えぇぇぇぇぇぇ!?」
昨日、顔面を踏んだ女の子だった。
「およ?君は昨日の。同い年だったんだ〜。」
肩をポンポン叩いてくる。
妹たち…。会長の言葉を思い出した。
「(双子だったのか…。)」
「私は彩華(あやか)、仲良くしましょ〜。」
フレンドリーな彩華と、大人しい優華との出会いだった。