牛乳と猫スーツ。
『大原悠斗!!』
蓮が悠斗な名前を言いながら、指をパチンと鳴らす。
「ぐべがっ!?」
ドンという音と共に悠斗が倒れる。
「(狙撃。次狼さんか…。)」
見回すと新館の屋上にキラッと狙撃銃のスコープが光るのが見えた。
『さて、話を戻します。今日は体育祭、皆さん頑張って1位を目指してください。』
「(普通の話だ…。気にしすぎだったかな?)」
蓮がまともなことを言っているので、直樹は安心した。しかし、その安心はすぐに崩れた。
『男子諸君!女子を振り向かせたきゃ1位になれ!!女子諸君!気になる男子に頑張ったねと言われたかったら1位になれ!!』
蓮の言葉に周りの生徒が反応していた。
『1位以外は負け犬だ!クズだ!!そんなヤツにはクズバッジを進呈しよう!!ちなみにクズバッジを3つ集めると、次の賞品がもらえるイベントで賞品がもらえなくなるから、そのつもりで。』
全生徒の目が変わっていった。
『クズが嫌なら1位になれ!自分達のチームが優勝したら、クズバッジはすべてリセットだ!!さあ、お前達、青春の汗を流し、ついでに敵の返り血も浴びてしまえ〜!!』
『うおおおぉぉぉぉ〜!!!』
近所迷惑になりかねないほどの生徒の声が響き渡る。
そして開会式が終わり、生徒全員が自分達のチームの場所へと歩いていく。