牛乳と猫スーツ。
直樹は拓也と一緒に倒れている悠斗を引きずっていった。
「俺達は赤組だからここだな。」
入場門側にブルーシートがあり、赤い旗が立っていた。入場門を挟んだ隣側には白組、退場門側に青と黄色組がある。
すでに赤組の場所に彩華達がいた。悠斗を引きずりながら近づいていく。
「あれ、エリーゼは?」
直樹はそこにエリーゼがいないことに気づいた。
「エリーゼなら体育祭の実行委員でいないわよ。」
彩華の髪を三つ編みにして、赤組のハチマキで止めてあげながら真里香が答える。
「なったんだ…。物好きだな、エリーゼも。確か実行委員になったらいいことあるかもって、会長が言ってたな。」
「結局エリちゃんだけだったけどね〜。でもいいことってなんだろね?」
髪型を変えるのが嬉しいのか、彩華が笑顔で言う。
『これより第一種目、借り物競争を始めます。出場する人は、入場門に集まってください。』
「私ですね。」
放送を聞いて、優華が立ち上がる。
「頑張ってね、優華さん。」
「はい!」
続々と入場門に人が集まる。