牛乳と猫スーツ。



直樹は拓也と一緒に倒れている悠斗を引きずっていった。





「俺達は赤組だからここだな。」




入場門側にブルーシートがあり、赤い旗が立っていた。入場門を挟んだ隣側には白組、退場門側に青と黄色組がある。






すでに赤組の場所に彩華達がいた。悠斗を引きずりながら近づいていく。






「あれ、エリーゼは?」




直樹はそこにエリーゼがいないことに気づいた。






「エリーゼなら体育祭の実行委員でいないわよ。」




彩華の髪を三つ編みにして、赤組のハチマキで止めてあげながら真里香が答える。






「なったんだ…。物好きだな、エリーゼも。確か実行委員になったらいいことあるかもって、会長が言ってたな。」




「結局エリちゃんだけだったけどね〜。でもいいことってなんだろね?」




髪型を変えるのが嬉しいのか、彩華が笑顔で言う。







『これより第一種目、借り物競争を始めます。出場する人は、入場門に集まってください。』





「私ですね。」




放送を聞いて、優華が立ち上がる。






「頑張ってね、優華さん。」





「はい!」




続々と入場門に人が集まる。
< 240 / 1,131 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop