牛乳と猫スーツ。
28…お嬢様はホームレス。



文化祭の次の日。いつも通りの朝のHRでのこと。





「それでは、出席をとりますよ〜。」





こーちゃん先生が出席を取り始める。





「南条(なんじょう)さ〜ん、南条沙織(さおり)さ〜ん?今日もお休みでしょうか…。」




深い溜め息を吐く。






「このままだと、出席日数に影響してしまいます〜。」




ウェーブのかかった黒髪をかき上げる。






「学級委員長さん、副委員長さん、南条さんに頑張って来るように言っておいてください。」




はいと優華が返事をしたので直樹も頷いた。






「それでは、授業を始めますよ〜。大原君、起きてくださ〜い。」




直樹の後ろの席の悠斗はいびきをかきながら爆睡している。





「授業始まるわよ〜。」




いつもの笑顔で言う、こーちゃん先生。






「…………………。」




しばらく教室に沈黙が訪れる。




笑顔を絶やさずに、オーダーメイドの小さいベージュのスーツの内ポケットからリモコンを取り出す。







カチッとボタンを押すと、天井からガトリング砲(M134)が出てきた。かつて、三毛猫スーツを塵と変えた銃だ。
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