牛乳と猫スーツ。
38…天才の作品。



12月27日。





はっきりしない意識の中、直樹はうっすらと目を開けると、冬の寒さを感じて意識が覚醒していく。




顔を横に向けると、ケータイのランプが点滅していることに気づく。







ケータイを開いてみると、彩華からメールが届いていた。





メールを見た直樹がクスッと笑う。




どうやら夜に騒ぐと、優華や真里香に怒られるので、直樹に部屋に来たらしい。運悪く優華が来たので、狸寝入りをしたそうだ。






「ん?」




メールはそれだけではなく、本文とは、かなり離れた下に『制服のままだったので、勝手に脱がしました』と書かれていた。






直樹が布団を上げると、自分が生まれたままの姿になっていることに、ようやく気がついた。





「うわぁぁっ!??」




驚きと衝撃で、完全に目が覚めた直樹だった。







【寮・中庭】




とりあえずジャージに着替えた直樹は自販機で牛乳を買って、中庭のベンチに座って飲んでいた。



いつもは静かな中庭だが、今日はなんだか人が多く、なぜか一カ所に集まっていた。







「なんだろ?」




牛乳を飲み終えた直樹は立ち上がり、人が集まっているところに行ってみることにした。






「さぁ、次の商品は、エアーボード!!これでアナタも空を飛ぼう!」





ワンピース姿の知佳が商売していた。
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