牛乳と猫スーツ。
「お値段格安50000円!!」
「高っ!!」
直樹は思わず声が出てしまった。
「ん?直樹じゃん、あんた空飛びたいんでしょ?買いなさいよ。」
「なぜその事を…。」
「前、蓮に妄想実体化装置の解体頼まれたときに聞いたのよ。これなら誰でも空飛べるから。今なら27000円に負けてあげるよ。」
「27000円…。」
直樹は財布を開けてみる。中には、ちょうど30000円が入っていた。
「これで空が飛べる…。」
「そうそう、これで夢が叶うよ〜。……………ゴニョゴニョ…。」
…………………。
………。
…。
【グラウンド】
「買ってしまった…。」
直樹の手には知佳から買ったエアーボードがあった。
「でも、これで空が飛べる!!」
エアーボードを地面に置くと、フワッと20センチくらい浮く。
「よし!」
片足をエアーボードに乗せる。
ガシャ。
「は?」
少し反発があったが、片足に乗せただけで、エアーボードは地面についた。
「なにぃ!?」
慌てて説明書を見る。説明書と言っても、ルーズリーフを半分に切ったものに書かれただけである。