牛乳と猫スーツ。
41…大晦日。



12月31日、直樹が龍堂学園に入って初めての大晦日である。




ここ無名県は魔の森を除いて、銀世界になっている。






誰もが家でまったりと過ごしたい日に、龍堂学園のグラウンドでは元気を持て余した4人の学生がはしゃいでいた。







「魔球、彩華スペシャル〜〜!!」





大きく振りかぶって雪玉を投げた、長い銀髪をポニーテールにした女の子は彩華。珍しく私服で、白いロングマフラーにボタンが大きな茶色のコート、そしてジーンズ姿である。







「おっと、危ない危ない。これでどうだ〜!」




彩華の雪玉をしゃがんで避けて、少し大きな雪玉を投げる、白いジャージに白のラインが入った黒のウィンドブレイカーを着た男の子は直樹。





「うわぁぁ〜!?」




雪玉を避けようとした彩華がバランスを崩して倒れる。








「大丈夫!?彩華さん!」




慌て駆け寄る直樹。





「螺○丸!!」





週間少年雑誌の某忍者漫画の技名を叫びながら雪玉を持った右手を直樹の顔にぶつける。






「ぐぶぅ!??」




彩華が右手を離すと、直樹の顔が雪まみれになっていた。







「チッチッチ〜。甘いな〜直樹くん。油断しちゃダメだよ〜。」




彩華が人差し指を左右に動かしながら言う。
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