牛乳と猫スーツ。
書類整理を始めながら言う。
「確かに姉貴が怖がってるとこなんて見たことないな。」
「まあ、会長は完璧超人ですもんね。」
「おや?知らないのか?蓮の苦手なものは―――――モゴッ!?」
今さっきまで会長席に座り書類整理していたはずなのに、いつの間にか蓮は移動して、菫の口を左手で塞いでいた。
「今何を言おうとしたのかな?」
菫の目の前で大きく目を見開いた蓮が低い声で言った。
「約束……したよね?言わないって。」
生徒会室に充満するくらいの黒いオーラが溢れ出し、彩華はブルブル震えながら直樹に抱きつき、その直樹も蓮のオーラに圧倒されて動けなかった。
「モゴッ(違う)!モゴモゴ(冗談だ)!!」
「口にも出さないって、約束…したよね?それと、私…冗談嫌い。」
右手でポケットからケータイを取り出して誰かに電話をかける。
「ああ、沙織。今すぐ生徒会室にハリセンボン持ってきて。」
電話を切り、ケータイを直す。数分もせずにガチャッとドアが開き、沙織が入ってくる。
「蓮、持ってきたけど、一匹でいいのかい?」
蓮は沙織を見ずにゆっくりと頷いた。