牛乳と猫スーツ。
それは学園を揺らすほどの声だった。(マジで)
【2年1組】
『お兄ちゃん以外に興味はありません!!』
「ブフーッ!?」
自習時間に、窓の外を眺めながら牛乳を飲んでいた直樹は、聞き慣れた声で問題発言が聞こえ、牛乳を噴き出す。
「だ、大丈夫?」
珍しく慌てる遥。
「あ、ああ、ごめん。大丈夫だ。」
ハンカチで口を拭く。
「今の何だったのかしら…。」
「さ、さあ…わからないな〜。」
………………………。
……………。
……。
「以上。」
椅子に座る美樹。
「お前が阿部直樹の妹か……。兄に似て活動的だな(悪い意味で)。男子共、忠告しといてやる。こいつの兄は学園最強の弟子だ、こいつにアプローチするなら覚悟していけよ。」
京香の忠告は必要ないようだった。なぜなら、すでに男子達はあれは無理だというような顔だったからである。
こうして龍堂学園の新しい1年が始まった。