牛乳と猫スーツ。
53…BLACK or WHITE。



入学式から数日が過ぎた。桜の花はかなり落ち、道は花びらで埋め尽くされていたが、昨日の雨ですっかり洗い流されていた。







「いい天気だな。」




今日、大事件が起こるとも知らずに、窓から空を眺めながら直樹は呟く。その後、真由香が入ってきてHRが終わり、すぐに授業が始まった。





「(遥は遅刻か?)」




隣の机を見ていた。




………………………。





……………。





……。






【鳳凰学園・生徒会室】



鳳凰学園生徒会長である黒いセーラー服を着た円がいた。円の制服は他の生徒と違い、かなり短い。お腹が見えており、ヘソにはキラリと光るピアスをしている。スカートも太ももの半分くらいしか隠していない。そんな姿でケータイで話をしていた。






「ええ、今日よ。そっちは大丈夫?」





『問題ありません。お姉様の動きに合わせます。』




「そう。頼むわよ遥。」





『はい。それでは作戦開始まで通常通り生活します。』




ブツッと電話が切れる。




「本当にやるんだな?」




腕組みしながらソファーに腰掛けていた、屈強な体をした黒豹の獣人が口を開いた。学ランのボタンを正しく留めて、円とは正反対である。
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