牛乳と猫スーツ。
「うわぁぁぁ〜!!」
聞き慣れた声が聞こえた。彩華が全力疾走で渡り廊下を駆け抜けて行った。
「こんにちは、直樹さん、悠斗さんに真里香さんも。」
優華達が歩いてきた。
「優華達が来たってことは、こっちは安全ってことね。」
真里香が安心したように微笑む。
「さすがに渡り廊下にセットするのは意地悪すぎますから。」
クスッと優華が笑う。
「そうなノ?」
首を傾げながら言うエリーゼの言葉に、全員が固まる。
「まさか…エリーゼさん、セットしたんですか?」
「サオリがその方がリアルって言ったカラ。」
エリーゼ以外の全員が沙織を見る。
「沙織……お前、後どこにセットしたんだ。」
「なんだ直樹、怖い顔をして。とりあえず出入り口…それとゴールが体育館なんて聞いていなかったから、体育館にもセットしたぞ。後は…。」
「まだあるのか!?」
………………………。
……………。
……。
【屋上】
そこには元生徒会メンバーがいた。
「なかなか楽しいイベントじゃないか。」
「イベントじゃないわよ。訓練よ、菫。」
隣で笑う菫を呆れながら雪は見ていた。
「ワイヤーの取り付けが終わったぞ。」
次狼が体育館にワイヤーを引っ掛けて、屋上の落下防止の柵に取り付ける。
「簡単だったな、やはり屋上は見逃していたようだ。」
笑みを浮かべながら言う菫。