牛乳と猫スーツ。
禁句だった。完全にシスコンな人に向かってお兄さんと言ってはいけなかった。
その猫(自称、兄)はバギッと片手で外灯を折り、飛びかかってきた。
「兄って呼ぶんじゃね〜!!」
流石に外灯で殴られれば死ぬ。
だが体が動かない。すべてがスローになった。
徐々に近づく外灯。
不意に妹を思い出す。
これって走馬灯だろうか?
これは死んだ…。心の中で呟いた。
「なにやってんのー!!」
突如横から声が聞こえると同時に、猫に踵落とし。
すごく綺麗な脚線だった。ちなみに白でした。(何かは言いません。)
「ぐべぇら…。」と、鈍い音と同時に猫が地に墜ちた…。
「やることいっぱいあるんだから、サボってんじゃないわよ!」
セミロングの黒髪をかきあげながら言う。
そして脇腹に蹴りを入れ、左足を掴んで体育館の方へと歩いていった。