牛乳と猫スーツ。



後ろの席の最近知り合った黒木拓也(くろきたくや)くんから見れば、時折ピクッと動く姿はとても滑稽(こっけい)だろう。




一際大きくピクッと動き現実に戻され、微妙に恥ずかしく思い、窓の外を見ていた。





するとバイクの排気音が聞こえて、それがどんどん大きくなり、その姿を見つけた。校門前の道をすごい速さで走り、校門を飛び越えたのだ。そのまま駐輪場に行きバイクを止めて、校舎の方に歩いてくる。





その人は直樹が昨日見た人のように思えた。正面から見ていないので断定はできない。




ただ不思議に思ったのは、女生徒の場合はリボンなのだが、彼女はネクタイをしていた。



彼女が校舎に入ると同時にチャイムが鳴った。





直樹は黒木くんと知り合ってから、教室で食べる事が多くなった。彩華たちもクラスの女子と食べる事もあるので、そのとき以外は黒木くんと悠斗の3人で食べている。





「黒木くん、今日は教室で食べるの?」





「…拓也でいい。今日は教室……。」




青色の髪、ツンツンヘアスタイルで口数が少なく、鋭く上がったつり目をした黒木拓也。このツンツンヘアは癖っ毛らしい。




寡黙な性格と髪型とつり目で昔から不良だという噂が独り歩きしてしまい、友達が少ないらしい。そして噂を聞いた悠斗が戦いを挑んだのが縁で友達になった。




「おい、拓也〜。メシくれ〜!」
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