私の彼氏

3

次の駅名を車掌がアナウンスする。

まもなく真由美の乗換駅である。

読めても、後1ページであろう。

そこまで一気に読みきろうとした、その数秒後、真由美はいったん読むのをやめた。

そして、もう一度、今読んだばかりの段落を読みなおした。

(今年の二月中頃、彼氏がバーに一人のお客様を連れてきた。年の頃は、三十代前半。Rと書かれたオシャレな赤い帽子をかぶっていた。そのお客様は草サッカーで足を挫いた為、松葉杖をついていた)



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