私の彼氏
「秋山様、オーナーはすぐにこちらに来るとのことです」

「そうか。ありがとう」

と言うと、秋山は携帯電話で時間をつぶしだした。

店内には、他にも一組の客が居たので、女のバーテンは逃げるようにそちらの方にいった。

男の異様な雰囲気に耐えられなかったのだ。

秋山は、五月が来るまでずっと携帯電話の画面を見ていた。

それから三十分程して、他の客が会計を済ませ店を出ようとしたとき、ちょうど五月が店に到着した。

「みなさん、もうお帰りですか。今日はご来店ありがとうございました」

そういうと、オーナーの五月は客を送り出した。


「表までお送りしてきます」

と女のバーテンが言った。

「あぁ、頼むよ」


バーは五月と秋山の二人になった。


< 34 / 206 >

この作品をシェア

pagetop