青い向日葵


なんだ?


どういうことだ?


そういうことなのか?


なんで、春野はびしょ濡れなんだ?


ただただ動揺するばかりで、いくら考えを巡らせてもわからなかった。


「さ、配るぞ」


いつの間にか先生が教室にやって来ていて、追試の問題用紙と答案用紙を配り始めていた。


前から回ってきた用紙を、条件反射で後ろに送った。


よりによって、なんで今日追試なんだよ!


自分のテストの点数が悪かったことを棚に上げて、腹の底から何かが沸々と煮えたぎるような感じがした。


そして、がばりと立ち上がり、あてもなく教室を飛び出した。


「大野!」


後ろの方から先生の声が聞こえた。

< 56 / 108 >

この作品をシェア

pagetop