青い向日葵
「なんなのよ」
増田は俺の手を振り払い、自分の手首を握り締めた。
「悪い。だけど、耐えられなかった」
目を伏せると、増田は自分の手首をさすりながら、大きなため息をついた。
「確かに。さすがにあたしも、あの子たちのあのノリは不愉快だったけど」
思わぬ台詞に思わず顔を上げた。
「なによ」
「いや、別に」
増田はまた、はあ、と大きなため息をつくと。
「友だちじゃなかった、彼女とは。だけど、自分の知ってる子が自殺したっていうのは、そりゃ、それなりにショックよ」
増田は俯いたまま、独り言のように呟いた。