青い向日葵


「なんなのよ」


増田は俺の手を振り払い、自分の手首を握り締めた。


「悪い。だけど、耐えられなかった」


目を伏せると、増田は自分の手首をさすりながら、大きなため息をついた。


「確かに。さすがにあたしも、あの子たちのあのノリは不愉快だったけど」


思わぬ台詞に思わず顔を上げた。


「なによ」


「いや、別に」


増田はまた、はあ、と大きなため息をつくと。


「友だちじゃなかった、彼女とは。だけど、自分の知ってる子が自殺したっていうのは、そりゃ、それなりにショックよ」


増田は俯いたまま、独り言のように呟いた。

< 76 / 108 >

この作品をシェア

pagetop