ちび×ひめ Ⅰ
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「きゃっ……!」
何かが足に引っ掛かり、あたしは転んで思いっきり額を打ってしまった。
涙目になりながらも、痛みを堪え額を擦る。
「っいたた」
何が引っ掛かったのか、足元を見ると、
だいぶ年月が経っていたせいであろう腐って、今し方切れた縄があった。
(これって、よく神社とかで見る……)
「まさか……」
すると、どこからか、声がした。
――『ああ、破れた。やっと――我を封じせしめし結界が破れた』
「結界?」
後ろを振り向いたがそこには誰もいなかった。
気のせい? なわけない!!
神社の縄を切ってしまったんだ。
やばい!! やばいに決まってる!
そう思ったあたしは縄を直そうとした。
切れた両端を結ぼうとしたけど、結び目が腐って結べない。
「どうしよう……?」
辺りは嫌な風が流れ込んだかと思えば、突然小さな祠の扉が開き、そこから眩しい光が放った。
「うわぁ――!」
光の眩しさから目を瞑ったあたしはそっと目を開ける。
(何もいない……)
辺りを見回してみるが、何も変化がなかった。
先ほどの光は一体なんだったのだろうか?