ちび×ひめ Ⅰ
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千堂院透が森の中を走り回っている同時刻、二人の少女が遠くの小道から談笑しながら、歩いていた。
茶髪のセミロングをピンクの水玉シュシュで二つ結びをして、毛先をゆるく巻いており、顔は小さな卵型。黄土色の猫目が特徴的な少女は、遠くで見ても、かなりの美少女だと分かる。
彼女は小川 海(オガワ ウミ)。
その隣で歩いているのは、荻野 茉耶(オギノ マヤ)。
日本人には見られない天然の亜麻色の長い髪を両側に垂らした顔はシャープな逆三角形だが、やわらかな輪郭を備えおり、
バサバサとした長いまつげの下には大きな菫色の瞳が光を放っているかのように輝いていた。
彼女もまた美少女という分類に入るくらい、かなり綺麗な顔立ちをしている。
その美しさは、海とはまた違った美貌だ。
「でねぇ〜、近くにある、バイトなんだけど。『Il miracolo di fate』にしようかなぁって」
「あそこって人気店じゃないの? 倍率高いわよ」
どうやら、茉耶と海はアルバイトの話をしているようだ。
話途中、ガサガサと森から音がしてきた。
道の両橋は森に繋がっており、当然熊や兎、イノシシなどの動物がいて当然だ。
森から音がするのもきっと兎かなんかだろうと、二人は思っていたが、飛び出してきたのは、予想外の者だった。
人――しかも、女の子だ。
「「!!」」
どさっと倒れこみ、膝をつく少女に、二人は吃驚し一体何事なのか、と思った。
少し対応を送らせてしまった海と茉耶は少女に駆け寄って顔をのぞかせた。
飛び出してきた少女を良く見ると、見知った顔だ。
・・・・・・名前は確か―――
「・・・・・・え? 千堂院さんよね!?」
「センドウインさん? たしか俺らのAクラス(クラス)に入ってきた転入生だったかな・・・・・・」
「大丈夫?」
「どうしたの千堂院さん、何やってるの?」