ちび×ひめ Ⅰ

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『何をやってるの?』か・・・・・・。

あれが見えないなんて羨ましいことだ。


神社まで走り続けているあたしは少し後ろを振り向き、

アイツが追ってきているのか、を確かめた。


――待てぇぇぇい!!


「・・・・・・は!」

っち、と舌打ちをし、まだ追ってきてるのかと思い、走ることをやめない。

転びそうになりながらも足を止めずにひたすら走る。


良いダイエットになりそうだよ。



小さな頃から時々、変なものを見た。

それはおそらく、妖怪や悪魔と呼ばれる類のもの。


元々あんまりいい気はしていなかったが、

ここ引っ越してきて最近は、なぜかやたらと絡んでくる妖怪たちがいて、

かなり困っている。


また・・・・・・一体何なのよ・・・何で追いかけてくるの・・・・・・


しつこい!!


そういう時は、神社にでも逃げ込んでしまえば――


ヒューと大きな手が振りかかってきて、


ドンと木に体を打ちつけられた。


「・・・・・・くっ!」


体が痛い。



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