アニマルマジック

しばらくその場から離れられなかった。どうしてだろう。

やっと解放されたのに。
嬉しいはずなのに…どこか喜べない。

最後の竜二の寂しそうな顔が忘れられない。

どうして?どうしてあんな顔するの。

私はとりあえず家に向かって歩き出した。

「やっとクソ野郎と別れられたよー」
もう真っ暗な空に向かって呟いてみる。もう会うこともない…だろう。

うん、これからは自分の好きなことができる。
そうだ、そうだ!!あの涙は嬉し泣きだ。うん!

「って何か無理だ」あの公園から10分程歩くと私の家が見える。

「ただいまー」私は玄関の扉を開けて大声で言う。

「おかえり」お母さんがリビングからエプロン姿で迎えてくれた。

なぜかお母さんの顔を見たら涙が出そうになる。

「どうかした?」家に上がろうとしない娘を気にしたのだろう。私は我にかえって笑顔で何でもないと返事した。

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