アニマルマジック

**008


「アホ~ボケ~!もー無理!!別れる~!クソ野郎!」
あれ?こんなにキレているのはあんなに幸せそうだった私、桃谷桃子です。もちろん私がキレているのはクソ野郎こと比嘉竜二です。

「却下。てか、俺はお前のためにやってやったんだろ!?あぁ!?」竜二も負けじと私に突っかかってくる。
「試合、妨害するなんて誰がやんのよ~!私の引退試合返せ!」後輩も同期も他の学校の子たちも私たちをじっーと見ている。

詩とクソ野郎と応援に来ていた新くんは必死に止めようとしてくれているけどそんなもんじゃ収まるわけでもなく喧嘩はヒートアップ。

あ、あの幸せな誕生日からもうはや1年。時間とは早いもので私たちももう中学三年生です。
そして事件はそう、30分前のこと…。

私たちは中学での最後の試合だった。楽しい試合をして、悔しさを残さず嬉し涙を流して引退したかった。なのに…竜二の野郎…

「詩~桃子ちゃん~」同期で思い出話を語りながらストレッチをしていると黒色の頭の新くんに金色の髪の毛の竜二が立っていた。

「新~!」詩は嬉しそうに笑っていたけど、私は相当イヤな顔をしていたと思う。だってその前日に大喧嘩をしていたから。急に呼び出されたと思えば無言ですたすた歩いていって私はそのはや歩きに追い付くのがやっとだった。

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