アニマルマジック

「行くぞ」普通の顔で話す竜二。

「行くぞって説明なってないし!」
「いいだろ、別に。行くもんは行くんだ」
「おかしい!」そう言って手を振りほどく。

「新、どうなってんの?」詩が新くんに尋ねる。
「知らねーよ。家で寝てたらさっき叩き起こされたんだって。」

「ごめんね、新くん」事情も分からないけどとりあえず竜二が悪いということだけは分かるから一応謝った。

「桃子ちゃん悪くないって」
「行くぞ!」こいつは人の気も知らないで。何様だっつーの。私は反抗するのもめんどくさくなって彼に引っ張られるまま歩いた。

「竜二のバカ……」
「あ?バカだあ?!」
「ぷっ」「しばくぞ」

何となく前の竜二に戻った気がしたんだ。でもこんな風に思うのは最初だけだったけども。

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