世界の果てまでキミと一緒に。
「なぁ、桜子?」
「はい」
千尋様は、私を腕枕して、私は千尋様にピッタリ寄り添うようにベッドの上に寝ていた。
「桜子は、俺のことを名前で呼んでくれないのか?」
「えっ?名前?千尋様って名前で呼んでますけど……」
「そうじゃなくて」
「そうじゃなくて?」
「だから、つまり“様”はいらないってこと」
千尋様は私の顔を見てそう言った。
「えっ?でも……」
「桜子は、もう奴隷じゃないだろ?俺にとって大切な人だって言ったろ?」
「そうですけど……」
千尋様に見られるのは恥ずかしくて、思わず目を逸らした。
もう奴隷じゃない。
お互いの気持ちが通じ合った。
だけど今更、千尋様のことを“様”抜きで呼ぶ事なんて出来ない。