わかれあげまん
数時間後。
無情にも時は過ぎ、既に体育館からは頼みの美也子の姿は消えていて。
バスケで汗を流したクラブ仲間たちがウキウキと打ち上げのための身支度をしているのを、フロアの真ん中で柚はいよいよ憂鬱そうに眺めていた。
「ほら~柚ちゃん、ボーっとしてないで!幹事なんだから一番に入って、オーダーしといてよ?」
サチヨという先輩部員が満面笑みで背後から柚を覗き込み、バスケ部打ち上げの会場の飲み屋のチラシを彼女の顔の前に呈した。
「あっ…うっ…」
「ほれ、あんたのためにシャワー室空けといたから一番に浴びといで!」
幹事の柚に先立って動いてもらうため、サチヨはわざわざ柚のため体育館のシャワーを押さえてあるというのだ。
…さすが飲み会大好きサチヨ先輩、やる気満々だ…。
ゲンナリと薄ら笑いを浮かべて、柚は。
「あ、はい、・・・じゃ、お言葉に甘えて…。ありがとございます」
と、全く乗気じゃない感全開に、バッシュをぶら下げとぼとぼとシャワールームの方へと歩き出した。