わかれあげまん
同じバスケサークルの渡良瀬先輩はカッコイイし、いつも誰に対しても優しかったし。
本気で、好きになりそうだったの。
だからこそ絶対、この負のスパイラルには陥るわけに行かなかったのに。
運命はやっぱり今度も、逃れることを許してはくれなかった。
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「やば。午後のガイダンス始まっちゃうわ。じゃね、あたし行くわ」
携帯の時刻を確かめるや、美也子は言い、涼しく笑った。
「あんなバカ男なんて、さっさと忘れなよ!?わかった!?」
「…はい」
蒼白な顔をうつ向けて、柚は素直にそう小さく返事した。