わかれあげまん



フードをすっぽりと被ったまま、柚はブンブンと首を振った。


もうこれ以上、迷惑かけちゃダメだ。


「・・・大丈夫。……ほ、ほら、あたし立ち直りは早い方だから。」


「…。」


「って、あ、ごめん!ふ、藤宮くんはなんのこっちゃだよね……ってかほんとありがと!こんな綺麗な景色拝んだから、マジで心も身体もすっきり綺麗になった気分!」


フードの中でやけに饒舌になる自分を、哉汰が今どんな目で見ているのか分からなかったが。


「ほんとに、これでもう、じゅうぶんだよ。」

と。

どこからともなく伸ばされた彼の両の手のひらがぐいと頭ごとフードの端を引っぱって、柚の顔はそっちに引き寄せられた。


「え!?」





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