わかれあげまん



しかし次の瞬間。


「ふぇっ…ふぇっっくしょいぁっっ!!!!」


「・・・・・!?」


鼻先どうしが触れそうな距離のまま、二人は同じような驚嘆顔で、慌しく瞬きした。


続いてやや呆れたような、茫然とした表情に戻った哉汰が、虚ろに言った。


「あのな。…おもっきり唾掛かったし。」


「ごっ…ごめっ!!!!」


「鼻も垂れてるし…。」


そしてブハッと吹き出しそのまま腹を抱えて笑い転げだす哉汰を、柚は恨めしげに見やりながら、


「だ、だって!さ、寒いんだもん!」


と何とか一言言い返した。



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