わかれあげまん
「ちょ!!や、やだ!今日お絵かき教室じゃん!?」
柚は飛び上がらん勢いで叫んだ。
「そう。だから今急いでる。」
…うへっと顔を顰め柚は呟いた。
「ど、どーしよ…すっかり忘れてた…課題考えてないよ~」
「心配しなくていい。今日はこっちで考えるから。つき合わした俺にも責任あるし。」
…え?
でも、むしろあたしのがつき合わしたようなものなのに…
とまだおろおろしている柚に、哉汰がちらりと視線を投げ呟いた。
「そんな心配より。あんたはその首一面のソレ。そっちの心配した方がよくないか?」
いっ…
ぎょっと目を剥き哉汰を一瞬見つめ返した柚の顔が、一気に火を噴く。
慌てて目を逸らしてそれから自分の両手で首を覆い、今度は一気に蒼白になる。
…そーだ。…
忘れてた。
…そろそろと両手をのけ、左側のサイドミラーに自分の首元を映してみて。
「っ!?やあ~~~~っ!!!なにコレぇ!?!?」
キスマークなんて度を優に越した、濃い紫斑がびっしりと刻印されていた。