わかれあげまん
「てっ」
と頭上で小さく言った声は男子学生のものだった。
ゴメンナサイ、と謝ろうと思ったが、今口を開いたら、喉のあたりまで込み上げて来たよろしくないものを彼に思い切りぶちまけてしまう。
「…っ…っ」
うえっうえっといよいよ本格的に“えづく”柚を見て、
「え、……ちょっおまっ、……待て待て待て!」
彼は早口で言うや、柚の背中を抱きかかえるようにしてトイレに駆け込んだ。
「まだ吐くな!?」
彼は個室のドアを靴で蹴り開け便座を超速で上げる。
そして、
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