わかれあげまん
「…待って。冷凍庫に氷枕あるから!」
柚は言うと踵を返し、小型の冷蔵庫のフリーザーから水色のアイス枕を取り出した。
小走りにまたベッドに戻ると、哉汰の後頭部に掌を差し入れそっと持ち上げてそれを敷いてやった。
そうしながら、(たしか戸棚に解熱剤もあったはず。)と思い立ち、もう一度その場で立ち上がろうとした。
と。
かくん。
といきなり腕を引っぱられ、小さな柚の身体はもんどりうって哉汰の隣に投げ出されるように倒れこんだ。
思わずぱたぱたと瞬いた目のそのすぐ前に、浮かされたようにぼんやりと赤い哉汰の顔があった。
朦朧としているその顔でさえも、やっぱりどこか綺麗だ。
なんて少し不謹慎なことが頭を過ぎった次の瞬間。
酷く熱っぽい大きな掌が、柚の首の後ろに当たって、そして引き寄せられた。