わかれあげまん
「…。」
「話したい。…」
「…うん。」
微かにそう答えた柚が自分を見上げてくるのを待っていたが、俯いた赤い顔をこちらへ向けることなく、彼女はゆっくりと哉汰の脇を過ぎ、テーブルの前ですとんと腰を下ろした。
哉汰も神妙な面持ちのまま彼女のあとに続き、向かい側にゆっくりと正座をした。
「…こんな時間までずっと居座ってごめんな。」
相変わらず俯いたままゆっくりと頭を振る柚。
「でもやっぱり直接謝りたかったんだ。…俺、…あんたにあんな」
「し、してないから!」
「…え?」
微かに眉を寄せ、哉汰は柚を見た。
「してないよ?あたしたち!」
必死な様子で繰り返す柚の顔がかつてみた事もないほどに真紅の色をしていて、哉汰は思わず唖然としてしまった。