海の記憶に残る恋
「むかし、この一帯は湿地帯だったんだって」




あやが解説をはじめた。




「へえ」




シンジはあまり興味がなく、力のない返事をした。




「だんだん開発されていったんだけど、この沼だけは残されたらしいよ」




足元に蛙がいるのをシンジは見つけた。




「そうなんだ」




踏まなくてよかったな、と思った。
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