ライフ・フロム・ゼロ


私は「存在感のない人」
と言われていたらしいが
それくらいで丁度よかった。


中流家庭に生まれ、
平均的な能力を持ち、
平均的な容姿で、
平均的な人生を送る。


それが自分には一番似合う。



平均的に、突出せず、
かといって落ちこぼれず、
長いものには巻かれて
周囲に合わせ、平穏に、

普通の人として生きてゆくこと。


それが一番楽だと経験上知っていたし、
これからもそうでありたいといつも思っていた。


そんな私の平均的人生計画はうまく進んでいたと思う。


< 5 / 182 >

この作品をシェア

pagetop