ライフ・フロム・ゼロ

「……疲れてるんだ」


口に出して言ってみた。
強張った顔の筋肉をほぐすように、
少し笑ってみる。


そうするとなんだか、
いろいろと可笑しくなってきた。


ふふ、と口の端から笑いがこぼれる。


そう、私はきっと疲れてるんだろう。
さっさと寝てしまおう。

そして起きたら洗濯物でも欲して、
いつも通りの土曜を過ごそう。
ああ、明日は晴れるだろうか。

変な幻を見たからまだ手が震えてる。
そうだ、今日はビールでも飲んで寝よう。
まだ何本か冷蔵庫にあったはず。


ロング缶二本くらい、開けてみよう。
そしたらさすがに眠くなるだろう。
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